同級生二次創作SS「螺鈿細工の月−第二章−」 ◇ 第七話-前兆- ◇ 「さて、準備は完了だ……いいぞ」 三脚に固定したビデオカメラを二人に向け、早田は胸元の煙草に手を伸ばしながら言った。 そしてその言葉が、桜木舞を奈落へと追い落とす第ニ幕の始まりを告げていた。 ビデオカメラのレンズが向いた先にはソファーがあり、そこに座った山部の膝の上に、レンズの方を向いて舞が腰を降ろしている。 二人は共に何も身に着けておらず、舞はその柔肌を惜しげもなく晒していた。 身体を腕で覆う事すら禁じられているのだろう、その張りのある乳房も、艶のある淡い翳りも露にさせられていた。 「さぁ舞ちゃん……ご挨拶してごらん」 山部は舞に語りかけるのと同時に、ビデオカメラに向かって語りかける。 しかし舞は俯いて視線を落としたまま、山部の膝の上で身体を硬直させていた。 仕方なく山部は舞の耳元に顔を近づけると、カメラのマイクには届かないように、そっと小声で囁きかけた。 「……言う通りにしないと…美沙ちゃんがどうなるか判ってるよね?」 「…!!」 卑劣な山部の言葉に、舞は黙って従う他無かった。 唇を噛み締め、意を決したかのように顔を上げると、その輝く双眸でカメラのレンズを見つめる。 早田はビデオカメラの液晶画面越しにその瞳を見つめながら、思わず息を飲んだ。 (…何て目ぇしてやがる……) 既に早田と山部によって陵辱され、更に今また辱められようとしているにも関わらず、舞のその瞳は力を失ってはいなかった。 この小さな身体の可憐な少女に、どうしてここまでの力が備わっているのだろう。 臆する事なく正面を見据える舞の姿に、早田は微かに苛立ちを覚えていた。 「…桜木…舞……十八歳です……」 それだけを呟くと、舞はレンズを見据えたまま口を閉ざした。 まだ陵辱の跡が生々しく身体には刻まれ、無理矢理に裸身を晒されているのに、舞はどこか燐とした雰囲気を纏っていた。 その姿に早田の苛立ちは更に高まり、そんな舞の高潔さを踏み躙りたい衝動に駆られる。 (…いつまでそんな顔をしていられるか……見せてもらうぜ…お前の全てをな……桜木舞…) 早田は山部へと視線で合図を送ると、その場を離れて壁へと背中を預け、後は全てを山部に任せた。 一方の全てを任された山部は、いよいよ本格的に舞を陵辱できるのだとばかりに、歓喜に満ちた表情で両目を輝かせる。 そして膝の上に乗せた舞の身体へと手を伸ばし、そのしっとりと吸い付くような肌の上を滑らせていった。 首筋から肩、そして腕の外側を撫でるように進み、山部の両手は背後から舞を抱くように腹部へと廻された。 「……ん…………」 微かに声を漏らした舞だったが、その表情は硬く強張り、全身には強く力が込められてる。 自らの肉体を差し出す事になったとはいえ、決して心までは侵されまいとする決意が、その表情からもはっきりと見て取れる。 だがしかし、その決意がいつまで保てるのか、舞自身が最も不安に思っていた。 日々の黒川との行為によって、若い舞の肉体は著しく女として成熟している。それに加えて不思議な事に、舞と山部は驚くほどに体の相性が良いのだ。 全く望まぬ行為であったにも関わらず、先程の行為でも舞は軽く絶頂へと昇りつめている。 これから先、行為が繰り返されるうちに更に山部の体に馴染んでいけば、どんな結果になるかは明らかだった。 「こんな綺麗な肌の子……初めてかもしれないなぁ…」 山部は純粋に舞のきめ細かく滑らかな肌に感嘆しながら、その首筋から肩へかけて唇を寄せていく。 背後から抱きしめるようにして伸ばされた手は、優しく包み込むようにして乳房を揉みしだいていた。 舞はできる限り、目の前のカメラのレンズを見ないように視線を逸らしながら、ただ黙って山部の愛撫に耐え続ける。 だがその事から、舞がビデオカメラの存在を意識しているのは間違いなかった。 「…我慢しないで声出しちゃいなよ。舞ちゃんだって、気持ちいいの嫌いじゃないでしょ?」 「…………ん………ぅ……」 山部は静かに囁きかけながら、丹念に舞の肌へと唇を押し付け、舌先で唾液の筋を作っていく。 微妙なその感触によって、舞は微かに心地よさを感じるようになってはいたが、それでもきつく唇を噛み締め、長い睫を震わせながら必死に堪え続けた。 山部の掌は舞の乳房をすっぽりと包み込み、掛け値なしに極上と言えるその感触を味わいながら、指先は可愛らしく固く尖り始めた乳首を弄ぶ。 ビデオカメラのレンズが象徴する、不特定多数の視線。その前に晒されながらの愛撫に、舞の精神も少しずつではあるが着実に蝕まれていく。 辛うじて理性の堤がその流れを押し留めてはいたものの、激しすぎる流れにいずれは決壊するものと思えた。 そんな状況を鑑みて、壁際で一人静かに見守っていた早田が動き出す。 ダイニングにあった小さな椅子を手にカメラの横にやって来ると、そこに腰を降ろして正面から舞を見据えた。 その意図を察した山部は、口元を歪めるように笑みを浮かべて応えた。 「……さっきはあんなに気持ち良さそうな声を出してたじゃない……レンズの向こうの人達にも聴かせてあげなよ」 「っ……!!」 必死に何かを堪えるかのようだった舞の表情に、一気に羞恥によって赤く染まっていく。 山部のその言葉は、舞は自分が不特定多数を相手に痴態を曝け出しているのだと、改めて意識させる事となった。 そして一度意識し始めてしまうと、無機質なビデオカメラのレンズでさえ、まるで人の大きな瞳のように思えてきてしまう。 正面から見ている早田の視線も、そんな感覚を増大させるのに一役かっていた。 山部はようやく反応を見せた舞に手応えを掴むと、更に舞を追い詰めるべく、耳元で囁きかけながら舞の両脚へと手を伸ばした。 「声を聴かせてくれないなら、まずは…身体の隅々まで見てもらおうか…」 「…え……いや………だ……だめ……」 舞の両脚の間に自分の膝を割り込ませ、そのまま左右に開いて舞の両脚をも一緒に大きく開かせてしまう。 慌てて覆い隠そうと伸ばした手も押さえつけられ、舞はその若草の茂る秘所をレンズに晒す事となった。 淡く茂った陰りの奥には、微かに綻んだ花弁のような秘肉が、まるで朝露に濡れたかのように愛液によって光っていた。 「美沙ちゃんの為でしょ、ほら…大人しくしなさい…」 「…くっ………うぅ………」 目の奥に涙の光を滲ませながら、舞は視線を落として唇を噛み締めた。 山部はそのまま舞の太ももの内側へと手を伸ばし、柔肌の上を軽やかに撫でながら、その最深部で微かに蠢く秘所へと辿り着かせる。 微かに塗れた恥毛を指先で掻き分け、その先で充血した秘肉をそっとなぞる。 「んんっ…………!」 敏感な部分に触れる指先の感触に、舞は思わず声を漏らし小さくその肩を震わせた。 山部の指先はゆっくりと円を描くように秘唇の周囲を彷徨い、包皮に隠れた真珠のような突起を探り当てると、巧みな指使いで責め始めた。 最早、当初の舞の決意も風前の灯と化し、その固く閉じられた愛らしい唇の間から、淫らな声音が漏れるのも時間の問題と言ってよいだろう。 意識し始めてしまった目に見えない視線。それが舞の理性の壁を着実に蝕んでいった結果だった。 (……見られてる……私……こんな恥ずかしい姿を……見られてしまっている………) 被虐性を内に秘めていた舞にとって、それは恐ろしく羞恥心を刺激し、背筋が震えるような快感を与えるものだった。 意識しないようにと考えれば考える程、舞の意識は自分を愛撫する山部でも、ビデオカメラの横で見つめる早田でもなく、レンズの向こう側でこのビデオを見るであろう、不特定多数の人間の視線に集中していってしまう。 「あふぅ……ん……んんっ……あぁっ!」 着実に染み出していく愛液に濡れて光る小さな肉の芽。山部は指先の腹で包皮の上から巧みに摘み上げ、時には擦り、時には押すようにして刺激していく。 性感帯の中でも最も敏感な部分を刺激され、湧き上がる快感に腰をくねらせながら、舞の意識は次第に混濁していった。 ビデオカメラを通しての見られる事による快感。そして山部の巧みな愛撫による快感。 黒川との行為だけでは永遠に味わう事の無かったであろうその組み合わせは、いかに精神の強さを見せている舞でさえも、その快楽の渦の中心へと飲み込もうとしていく。 静かに動くビデオカメラの前で、今まさに舞の理性は波間に消え去ろうとしていた。 (…駄目…止められない……) 瑞々しい舞の若い肉体は理性という名の手綱から解き放たれ、快楽という草原を思うがままに駆け出そうとしていた。 (…墮ちたか………いや、体だけか……) 目の前の舞の変化を、早田は的確に把握していた。 明らかに変化した山部の愛撫への反応と、カメラのレンズを見つめる濡れた瞳。快感を受け入れ始めたように受け取れた。 そしてその証拠とでも言わんばかりに、舞の唇の間から漏れる声は熱っぽく湿り、明らかに快感の色を滲ませている。 「はぁ……んんっ……あ…ん……あっ、あぁっ…!」 クリトリスと乳房を中心に愛撫していた山部の指先は、そんな舞の反応を受けて次の段階へと進む。 乳房を包み込んで揉みほぐしていた手が下腹部へと下がっていき、突起を弄んでいた手の更に下、小さく蠢く秘唇の間へと滑り込んでいった。 入り口を探り当てた指先が軽く押しただけで、水音と共に奥から蜜が溢れ出してくる。 ふと山部は悪戯っぽい笑みを浮かべると、恥毛を掻き分けるようにして両手で秘肉を左右に押し開き、カメラのレンズに向けて舞の可憐な秘所を曝け出した。 「ほぉら…奥までよーく見てもらおうね……おやおや、どんどん溢れてきちゃうよ」 「あぁ……いやぁ……見ないで……」 口ではそう言いながらも、ただ見られていると思うだけで舞の体は反応してしまう。 山部はただ両手で左右に割り開いているだけなのに、舞の秘唇は小さく蠢き、その奥の小さな入り口からは絶え間なく蜜が溢れ出してくる。 それどころか、舞は明らかにビデオカメラに撮影されているという事実だけで快感を得、着実に高まっていっていた。 (…あぁっ……こんなの……こんなの違う…違うの……でも…でもっ…) 不意に舞が固く瞼を閉じ、その細い肩が小刻みに震える。 山部は全く動いていないにも関わらず、舞は小さく達しそうになってしまったのだ。 その様子に早田と山部は互いに視線を合わせ、無言の笑みを浮かべあう。 「……もっと気持ちよくなりたいだろ?」 「あ……あぁ………」 無意識のうちに舞は小さく頷き山部の言葉を肯定してしまっが、混濁していく意識の中で、舞は全く気付いていない。 更に追い討ちをかけるべく、山部はそっと指先を伸ばして、微かに震えている小さな突起を指先で弾いた。 「ひゃうんっ…!!」 「ほら、ちゃんとカメラにお願いしてごらん……最後までして欲しいんだろ?」 (……ごめんなさい……ごめんなさい…………) 一体何に対して謝っているのか、それは舞自身にも解らなかった。だが、快感への欲求に支配されていく意識の中で、その言葉だけが繰り返し脳裏に浮かんでは消えていく。 尚も言葉を求めて促しつづける山部に、舞の口がゆっくりと開いていった。 「……お……お願い…します……………くだ………さ…い…」 何かを必死に堪えるかのような表情の中に、肉欲に支配された艶やかさが滲んでいる。 目には薄っすらと涙が浮かび、上気した頬とあいまって、その表情は見る者の視線を捕らえて逃さなかった。 その見る者の中には、ビデオカメラの横で冷静さを崩さず見つめている早田も含まれていた。 (…なるほどな…………) 早田は自分の考えに納得したかのように小さく頷くと、山部に視線で合図を送りながら立ち上がる。 そしてそのまま動き続けるデオカメラと二人を残し、静かに隣りの部屋へと消えて行った。 早田の背中が扉の奥へと消え去るのを見届けると、山部は体を起こし、代わりに舞を直接ソファーへと座らせた。 昂ぶった情欲の炎が見え隠れする表情で、目の前に立った山部の姿を上目使いに見上げる舞。 幾度となく繰り返し欲望を押さえ込んでいた舞の理性も、巧みな早田と山部の手管の前にその力を失ってしまっている。 そんな舞の頬へと手を伸ばしながら、まるで自分が"陵辱者"である事を忘れてしまったかのような穏やかな表情で、山部は優しく穏やかな口調で囁く。 「……もう我慢する必要は無いんだよ。ここには僕しかいないんだから…ね」 「…で、でも…………んっ!」 その言葉に、思わず不安げな表情を見せて俯いてしまった舞に、山部は素早く身を屈めて唇を重ねていった。 不意をつく形で奪われた唇だったが、今の舞にとってはそれも燃え上がる情欲を加速させる要因としかならない。 差し込まれる舌先に無意識のうちに応えるうちに、舞の全身からは次第に力が抜けていった。 そして舞の両脚の間へと体を割り込ませると、その瞬間を待ち焦がれていたかのような秘所へ、唇を重ねたまま男性器を打ち込んでいった。 「………んんっ……あ…あっ…あぁぁぁぁっ…!」 自身を貫いていく灼熱のような肉の塊に、舞は思わず仰け反りながら叫びを漏らす。 だがそれはけして苦しみによるものではなく、間違いなく歓喜に満ちた声音であった。 山部は自分の分身を全て舞の体内へと埋没させてしまうと、荒い呼吸に胸を上下させている舞の上半身を抱くようにしながら、そっと耳元で囁きかける。 「何も考えずに感じてごらん……」 その言葉に舞は何も答えなかったが、ただ黙って両手を山部の首へと絡めた。 まるで全てを受け入れたかのような反応に、薄く愛らしい唇を包み込むようにして唇を重ね、さも当然といった態度で山部は舌を潜り込ませ、ゆっくりと腰を動かしていく。 舞もそれを拒む事などせず、無意識のうちに自らも可愛らしい舌を差し出して山部の舌を受け止め、音を立てて唾液を飲み干していった。 「んぅっ…んっ……んふぅ………ちゅっ……」 舌を激しく絡め合い、流し込まれる唾液を嚥下し、互いの口腔を刺激しあう。 まるで愛し合う恋人同士のような熱い口づけを交わしながら、山部は少しずつ腰の動きを早め、より力強く舞を貫いていく。 その舞の表情は熱病にうかされたように熱く火照り、頭の奥が痺れるような口づけと抽送の快感に浸りきっていた。 優しく緩やかな抽送と、対照的に深く濃厚な口づけとが、舞の全身を快感の繭のように包み込んでいく。 一度快感に身を委ねてしまえば、後は済し崩し的に次々により大きな快感を求め、瑞々しい舞の肢体は雄々しい山部を求めてしまう。 「………あっ……ん………はぁ……はぁ………んんっ……!」 素直に快感を受け入れ、その唇から甘い囁きを漏らし始めた舞に、山部はゆっくりと上半身を起こす。 そして目の前で軽やかに揺れていた乳房へと両手を伸ばし、張りのある乳房を大きく揉みしだきながら、切なげに喘ぐ舞の顔を見下ろした。 一見すると優しそうな印象を与えるその表情に、不釣合いな程に好色そうな笑みが口元に浮かび上がる。 ただ純粋に舞を抱ける事を喜び、その美しく整った肢体を味わえる事に夢中になっている姿からは、とても早田の目的を理解しているようには見れなかった。 「さあ舞ちゃん…そろそろ本気でいこうか」 「んんっ……んふぅ……はぁんっ……………え………?」 不意に腰を引いて抽送を止めてしまった山部を、舞は怪訝そうな表情で下から見上げている。 その表情は、快感を奪い上げられてしまった事で、どこか物足りなそうにも見えた。 そして自分の表情に気付き、舞は羞恥に頬を染めながら視線を落として俯いてしまった。 「そんな顔しなくたって大丈夫だよ………本番はこれからさ…」 意味深な表情で舞を見下ろしながら言うと、山部は舞の耳元で何事か囁く。 その言葉に驚いたような困ったような複雑な表情を見せた舞だったが、小さく頷き返して立ち上がる。 更にその場で山部に背を向けると、そのままソファーの背もたれに手を伸ばして体を支え、軽く腰を突き出したような姿勢をとる。 それは丁度、ビデオカメラの高さに舞の秘所の位置が来る姿勢でもあった。 (あぁ……こんな格好するなんて………恥かしい……) だが、そう思えば思う程、全身を痺れるような快感が駆け抜けていくのもまた事実だった。 先程まで山部に貫かれていた部分を晒している。そう思うだけで今の舞は止めども無く秘唇を濡らしてしまう。 羞恥心に心を支配された舞は気付いていなかったが、溢れ出した蜜が太股を伝って膝の辺りまで零れ落ちていた。 「さて…舞ちゃんは後ろからされるのが好きなんだよねぇ…」 「そ、そんなっ……はぁぁぁんっ!!」 言い終わるが早いか、山部は背後から舞を貫いていた。 眉間に皺が寄るほどにきつく目を閉じ、ソファーの背もたれを掴んだ指先に力を込め、全身を駆け抜けていく挿入による快感に舞は耐える。 気を許せばそれだけで達してしまいそうな程に、今の舞の性感は過剰なまでの反応を見せていた。 「…はぁ…はぁ……はぁ……はぁ……」 肩を揺らしながら荒い呼気を吐き出し、下腹部から広がる快感に膝を震わせる。 一方の山部は、体位を変えただけで異なる感触を与える舞の膣内に、改めて感嘆の声を心の中で漏らしていた。 (…たまんねぇなぁ…こりゃ………しかし…そんだけ、バックからだと感じてるって事なのか…?) 暖かく包み込みながら、襞の一枚一枚が複雑な動きで絡みつき、山部の男性器をより深くへと導こうと蠢いている。 今日は既に舞へと射精している山部でさえ、気を許せばそのまま放ってしまいそうな程、それは素晴らしく官能的な女性器だった。 山部は大きく息を吸い込み、舞の腰をしっかりと両手で抱え直すと、初めて本気の抽送を開始した。 「え……あっ…あんっ!、やっ、あっ、はぁんっ!!、んっ、んーっ!」 ただ力強さや巧みさであれば早田の方が上かもしれない。 愛情という点では黒川には勝ることがない。 だが、それらを打ち消してしまう程に、互いの体の相性の良さが舞と山部にはあった。 そして何より、山部には二人を合わせた以上に豊かな欲望があり、それを満たす為の技術も持ち合わせていた。 (…くっ……凄いっ……凄いよぉっ………こんなの………駄目ぇっ……!!) 大きく大胆な動きで力強く背後から貫かれ、その先端で子宮の入り口を叩かれると、まるで目の前でカメラのフラッシュが光ったかのように、舞の脳裏には眩い光が快感と共に閃く。 その閃光が煌く度に全身が震えるような快感が込み上げ、体の中心から四肢へと行き渡り、甘い喘ぎとなって放たれる。 「あぁっ!、あんっ、あんっ、んっ、んくぅぅぅっ!!」 力強さだけでなく、次第に巧みに変化を織り交ぜながら抽送を繰り返し、山部は舞の肉体を完全にその支配下に置いていた。 大量に溢れ出した愛液に濡れた男性器は、極上の部類に入る舞の膣内を疾走し、縦横無尽に掻き乱していく。 体を支える為にソファーへと伸ばしていた腕にも力が入らなくなり、膝は音を立てて震えだし、今にも崩れ落ちてしまいそうな舞をしっかりと支え、山部は思う存分に舞を蹂躙していった。 (……こんな……おかしくなっちゃうよ……いいの……気持ちいいのっ……全部…溶けちゃうっ……!) 日頃の舞を知っている者が見たら、それが桜木舞の表情だとはとても気付かなかったかもしれない。 それほどまでに乱れ、蕩けきって恍惚とした表情で、舞は歓喜の叫びを漏らし続けた。 「…ふぁぁぁぁんっ!!、んっ…んんっ!、はぁ……あんっ!、あんっ、あっ、あっ、あっ……きゃうんっ!!」 不意に舞の背中へと覆い被さるように上半身を倒した山部は、そのまま手を滑り込ませて舞の敏感な肉芽を指先に絡めた。 包皮から微かに顔を覗かせている、濡れたクリトリスを指先で巧みに弄ぶように刺激しつつも、抽送の勢いは衰える事なく舞を貫き続ける。 そして与えられる快感に応えるかのように、膣内は小刻みに伸縮を繰り返し、山部の逞しい男性器を締め付けるように蠢く。 だが不意に、山部は全ての動きを止めてしまった。突然の事に戸惑う舞は、行き場を無くした肉体を持て余して身悶える。 「……さて…どうしようか?」 覆い被さった姿勢のまま、舞の頭の上かから囁きかける山部。 ただ焦らしているだけではなさそうな山部に戸惑いながらも、昂ぶった情欲の炎を持て余して焦れていく舞。 「……あ………あのっ………」 下を向いたまま必死になって言葉を紡ぎ出そうとする舞だったが、どれほど肉体が快楽を求めて蠢こうとも、明確に言葉にして求める事だけは躊躇われた。 しかし、今まではそれでも許されてきたが、今回だけは山部も許すつもりはなかった。 舞の口から明確な言葉を引き出す事は、密かに早田から与えられていた指示でもあったのだ。 「今更何を恥らう必要がある?…さあ…言ってごらん、どうして欲しいのか…」 抽送は止めてしまった山部だったが、舞の快感の火種が消えてしまわないようにと、クリトリスに絡めた指先で適度な刺激を送り続けた。 焦らしつづけながら着実に舞を追いつめ、その愛らしい唇を割らせようとする。 そして、行き場を失って悶える体に突き動かされ、とうとう舞は堪えつづけたその言葉を口にしてしまった。 それはただ自ら求めたという事実だけではなく、間違いなく舞の中で何かが崩れ落ちた証と言えた。 「あ…あぁ………し……して下さい……」 「それじゃあ判らないでしょ……」 必死に紡ぎ出した舞の言葉を笑みすら浮かべながら一蹴し、山部は舞にだけ聞こえる程度の声で、何やら小さく囁きかける。 暫しの沈黙の後、何かを決意したかのような表情で舞の唇がゆっくりと開かれた、まるで悲しみの咆哮といった叫びが漏れた。 「お……お願いしますっ……お…犯して………壊れる…ぐらいにっ……犯…して………下……さい……」 言葉の終わりには涙の色が混ざり、そのまま舞は小さな嗚咽を漏らし始めた。 浅ましくも快楽を求めてしまう事を受け入れた自分自身が惨めで、そう追い込まれてしまった現実が悲しく、何の救いも見出せない事に絶望した涙。 頬を伝うその暖かな雫を見る事なく、山部は己の欲望を満たす為に動きを再開した。 舞の膣内に埋められたままだった、山部の分身たる熱き肉の塊が、その全身で舞の膣壁を激しく擦り上げていく。 「あっ……く……んんっ!、はぁ……はぁ……はぁっ!、あっ、あっ、あっ、あっ!!」 抽送は次第に単調な動きへと変化していくが、より力強く、奥深くへと逞しく貫き始める。 心は完全に快楽を受け入れ、身体は山部を受け入れ、舞の全身を包み込む快感の波はその大きさを増し、留まる事なく押し寄せ続けた。 白く泡立った愛液は太股を伝い流れ落ち、舞の全身には薄っすらと玉のような汗が浮かび上がる。 流れるように美しい髪も振り乱され、舞の口からは絶え間なく快感の絶叫が放たれ続けた。 「あっ、あーっ!!、もうっ、もう駄目ぇっ!!、あんっ!、んんっ!、んーーーっ!!」 今にも崩れ落ちそうになる身体を必死に支え、逞しく激しい山部の抽送に身を任せて全身を揺らす。 絶頂感は全身を覆いながら目の前に迫り、それは小刻みに蠢く膣内の感触によって、背後から貫く山部にも伝わっていた。 まるで襞の一枚一枚が生き物であるかのように、複雑に蠢きながら激しく締め付けてくる舞の膣内。 その動きの激しさが、舞の絶頂が近いことを示していた。 「んぁぁんっ!、あっ……あぁっ!……い…く……いっちゃうっ……!!」 激しく頭を振りながら、何かに耐えるような厳しい表情を見せる舞。 先程は辛うじて耐え切った大きな絶頂が、今まさに舞をその大きな渦へと引き込もうとしていた。 「…よーし…一緒にイこうね…膣内にたっぷり…出してあげるから」 それは今日、舞に現れた決定的な変化と言ってもよかっただろう。 今までは恐怖心を呼び起こすだけだった膣内への射精。それを告げられた瞬間、背筋を何かが駆け抜けていく感覚に襲われた。 被虐性の目覚めとでも言うのだろうか、体内に精を放たれ、汚されてしまうという事実に明らかな快感を覚えてしまったのだ。 「……クッ……出すよっ………うっ!」 最も深い部分へと打ち込まれた男性器が、膣内で小刻みに痙攣する感触が舞に伝わるのと同時に、勢い良く熱い体液が放たれた。 勢い良く打ち付けるように放たれる精液の感触に、舞の中にあった最後の一本の線が切れ、激しい絶頂と同時に上半身が崩れ落ちていく。 「あっ…あぁっ!、いく……いくぅっ………いっちゃうーーーーっ………!!」 ソファーへと顔を埋め込むように上半身を崩しながら、舞は山部の手によって大きな絶頂へと昇りつめていった。 それはただ快感を受け入れてしまったという事実だけでなく、舞を支えていた精神力に限界が訪れた事をも意味している。 もちろん、早田と山部による陵辱がこれで終わった訳ではなく、これからが本番である事は言うまでもない。 <続く>
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